GLC コーティング

グラファイトライクカーボン(GLC)はDLCより優れた離型性の除電膜

GLC シリコンウェハー
シリコンウェハー
GLCコートは他の硬質膜に比べ、
圧倒的に低い摩擦係数と、優れた耐擬着性、
耐摩耗性を示します。
その離型性は、DLCに比べ10倍以上の効果を示します。
また、除電膜として使用されており、
その効果は半導体分野で実績があります。
GLC 膜厚10μm 基板素材部分
破断面電子顕微鏡写真
# DLC GLCコーティング グラファイト
色調 ブラック ブラック ブラック
比重 >2.0 3.0 2.3
硬度(HV) 3000~5000 1700~3000
比抵抗(Ωcm) 106~1014 ~106 10-3
屈折率 2.4
熱伝導率(W.cm/K) 6~21 0.4~0.17

特性

低い摩擦係数
摩擦係数が低い(μ=0.1)ため、衝動性 が向上し高い潤滑特性が期待できる。
高い硬度
硬度がHv2500。TiNに近い硬さを持つ。
小さい表面粗さ
アモルファス(非結晶)構造の為、表面が非常に滑らか。
低温処理
室温(特殊)〜300℃のコーティングが可能。母材への影響が少ない
薄い膜
膜厚1ミクロン(数十ナノの超薄膜も可能)〜10ミクロン
剥離処理
プラズマエッチング処理で、膜の除去が可能。再生が容易である。

除電効果

絶縁抵抗試験条件:100V 10の9条以下
10キロボルトのコロナ放電で強制帯電させた場合でも、帯電を数ボルトから数10ボルトに抑えることができ、
放電後はこの値がゼロになる。(比抵抗Ω・cm)

# 10V 100V
DLC(A社) 1MΩ
DLC(B社) 5.4MΩ 0.864MΩ
GLC 2400MΩ 1100MΩ
上記表の通りGLCは電気的に安定しており、チャージアップしない。
よって静電気防止効果が期待できる。
DLCはチャージアップしますと、スパークして絶縁破壊。
この特性によってゴミの発生が少ないと立証テスト済み。
帯電防止性能指標(表面抵抗値)
半導体の製造現場で求められている基準値10の10乗以下。

Q&A

GLCコーティングとは何ですか?
GLCとは弊社独自の方法で開発した、静電気を除去するカーボン薄膜です。離型性と耐食性に優れており、抵抗値が10Ω位であることから、半導体装置用の静電気除去膜やはんだ付け防止膜として使用されています。
膜厚はどの位ですか?
膜厚は10nm~10μm位です。
処理温度はどの位ですか?
処理温度は300℃位です。特殊な条件で室温コートも可能です。
上記の絶縁抵抗試験は何を示しているのですか?
GLC膜は100V下での絶縁破壊を起こしません。DLC膜は100Vの電圧をかけると絶縁破壊を起こして電気抵抗の役割をはたしませんが、GLCの場合は100Vの電圧をかけても、絶縁破壊をせず、電気抵抗の役割をはたします。